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書評:『負けない米国株投資術』–「負けない」ための米国株投資戦略

負けない米国株投資術 米ヘッジファンドの勝ち方で資産を増やす!

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はじめに

米国株への投資に興味があるが、大きなリスクを取らずに確実に資産を増やしたいと考えている方にとって、『負けない米国株投資術』は最適な一冊です。

本書は、著者であるまりーさん(筆名)による、米国株を中心とした「負けない」投資戦略を学ぶための実践的な指南書です。

まりーさんは、日本生まれのアメリカ在住の投資アナリストとして25年以上にわたり金融業界で活躍してきました。ヘッジファンドや証券会社でのキャリアを積み、特に投資先企業の分析に精通しています。その経験をもとに、個人投資家に役立つ具体的な戦略を紹介しています。

本書は、特に「大きく勝つ」ことよりも「大きく負けない」ための安定した投資手法を解説し、投資初心者から中級者までにおすすめできる内容となっています。


著者 まりーさんについて

まりーさん(本名非公開)は、日本で大学を卒業後、アメリカの著名なビジネススクールであるペンシルベニア大学のウォートン・スクールでMBAを取得。米国の金融業界でキャリアを積み、スペインのサンタンデール銀行やニューヨークの証券会社、さらにヘッジファンドで活躍してきました。彼女の投資法は、大きく儲けることよりも「負けない」投資を目指し、リスク管理と堅実なリターンを得るための戦略に重点を置いています。

また、まりーさんは、投資教育にも力を入れており、YouTubeX(旧Twitter)を通じて投資に関する情報を発信しています。週末に開催しているオンラインミーティングでは、2000人以上が参加するなど、日本人投資家からも注目されています。彼女の投資哲学は、富裕層向けのヘッジファンドの手法を取り入れつつ、個人投資家にも実践可能な戦略として再構築したものであり、特に長期にわたって安定したリターンを狙う方法に定評があります。


コア・サテライト戦略で「負けない」投資を実現

本書の中心テーマは、「コア・サテライト戦略」です。この投資手法は、コア部分に積立型インデックス投資を配置し、安定したリターンを得ながら、サテライト部分で個別株やセクターETFなどを用いてリターンをさらに上乗せするアプローチです。インデックス投資だけでは満足できない人向けに、リスクを最小限に抑えつつ、積極的な投資を取り入れることを勧めています。

例えば、著者が実際に実践したテスラの株を用いた例が挙げられています。テスラ株を適切なタイミングで購入し、短期間でリターンを得た経験は、サテライト戦略の効果を実感できる一例です。この戦略の強みは、インデックス投資という「守りの投資」を基本にしつつ、個別株やETFで「攻める」ことで、全体的なリスクを管理しながらリターンを最大化する点にあります​。


マクロ経済分析で先を読む

本書では、投資におけるマクロ経済の重要性も強調されています。著者は、株価の約8割はマクロ経済の動向に左右されると述べ、特に金利の動向が株価に与える影響を詳しく解説しています。たとえば、金利が上昇すると株式市場から資金が流出し、株価が下落する可能性が高まります。これを見越した上で、経済サイクルに応じた投資判断が重要であると指摘されています。

さらに、著者は米国株のパフォーマンスを支える要因として、これまでの40年間の金利低下があったことを指摘します。しかし、現在はそのトレンドが終わり、今後は金利が上昇する可能性が高いため、今まで通りのインデックス投資だけでは十分なリターンが期待できないと説明しています。このようなマクロ分析を基に、適切な投資タイミングを見極めることが本書の重要なポイントです​。


テクニカル分析を使った効果的な売買タイミング

また、本書ではテクニカル分析を活用して売買のタイミングを見極める方法も紹介されています。移動平均線やゴールデンクロス、デッドクロスといった基本的なテクニカル指標を使って、最適なタイミングでの取引を行うことが可能です。特に、「カップ&ハンドル」「フォロースルーデー」など、アメリカの投資家が好んで用いるテクニカル分析のパターンについても詳細に説明されています。

テクニカル分析は、経験が浅い投資家にとって難しい部分もあるかもしれませんが、本書では初学者にもわかりやすく説明されており、実際にどのタイミングで売買を行えばよいかが具体的に理解できる内容となっています。これにより、感情に左右されずに冷静な判断ができるようになります​。


リスク管理と「負けない」投資の心得

本書のもう一つの重要なテーマはリスク管理です。著者は、投資において成功するためには、リスクを適切にコントロールすることが重要であると強調しています。そのために、「損切り」のルールや、利益を確定する「利確」のタイミングについても具体的なルールを提示しています。

特に、最終的にはであり、冷静な判断を保つためのメンタルコントロールが重要であると述べています。リスク管理がしっかりできていれば、大きく損をすることなく、長期的に資産を増やすことが可能です。このように、本書は初心者にありがちな感情的な判断ミスを避けるための具体的なアドバイスを提供しています​。


まとめ – 『負けない米国株投資術』を読むべき理由

『負けない米国株投資術』は、米国株に興味を持つ初心者から中級者にとって、非常に実践的で参考になる一冊です。インデックス投資に頼りすぎず、マクロ経済分析やテクニカル分析を活用して、リスクをコントロールしながら確実に資産を増やすための具体的なアプローチが紹介されています。

特に「コア・サテライト戦略」によって、停滞期でもインデックス以上のリターンを目指すことができ、米国株を効果的に活用した投資法を学ぶことができます。リスクを最小限に抑えながら、資産形成を目指す投資家にとって、負けないための重要な知識が詰まったこの本は、ぜひ一度手に取ってみる価値があります。

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